不動産の売却ができる一般的な期間は?

2024年02月13日

不動産の売却ができる一般的な期間は?

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不動産売却を検討するにあたり、あらかじめ売却にかかる期間を把握しておく必要があります。

売却期間が長引いてしまうと、さまざまなデメリットが生じてしまいます。売却開始後に予想外の事態が起きないよう、売却計画をしっかり立ててから行動に移すことが重要です。

 

今回は、不動産売却にかかる平均期間や手続きの流れ、売却が長引く原因・対策について詳しく解説します。

不動産を初めて売却する方や早期売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

不動産売却にかかる平均期間はどのくらい?

 

期間の目安は3~9ヶ月程度

不動産売却にかかる平均期間は「3~9ヶ月」が目安です。おおよそ半年くらいと覚えておくと良いでしょう。

 

ただし、物件の種類によって売却期間は多少異なります。

マンションは6ヶ月、戸建てであれば11ヶ月と、戸建てよりもマンションの方が早く売れる傾向にあります。

 

また、築年数やエリアによっても売れやすさは変わるので注意が必要です。

古い物件や人気のないエリアだと、売れるまでに1年程度かかるケースもあります。

売却期間の目安はあくまで参考程度に留めておくのが無難です。早期売却を目指したい場合は、複数の不動産会社に売却査定を依頼しましょう。

 

不動産売却が完了するまでの流れと期間

 

不動産売却開始から引き渡しまでの一連の流れは以下のとおりです。

1.事前準備

 

売却開始前までにやることは、必要書類の準備・査定・媒介契約の3つです。

事前準備にかかる期間は、2週間~1ヶ月程度を目安にしてください。

 

まずは契約書などの必要書類を作成し、境界線や所有者を確認します。

確認作業に手間取ってしまうこともあるので、2週間くらいを見積もっておきましょう。

次に複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定額の結果から信頼できる業者を見極めます。業者選びは慎重に行うべきなので、1週間程度かかると想定しておいてください。

良い業者が見つかったら媒介契約を結びます。契約締結完了までにかかる期間は1週間弱です。

 

2.売却活動

 

売却活動中は宣伝・内覧・交渉などを行います。

売却スタートから買い主が見つかるまでの平均期間は3~5ヶ月程度です。

不動産会社が物件を宣伝し、希望者から内覧の申し込みがあれば日程調整します。

内覧前には部屋をきれいに掃除し、ご近所挨拶で関係を良好に保っておくようにしましょう。

一般的に、入社・入学シーズン前の1~3月と異動の多い9~11月は売れやすいと言われます。

早期売却を狙うなら、この時期に合わせて売却活動を始めるのも一つの手です。

 

3.決済・引き渡し

 

購入者が決定したら売買契約を結び、物件を引き渡します。

購入者が住宅ローンを利用する場合、ローン審査に2週間~1ヶ月程度かかります。

 

審査が下りないと引き渡しできないので注意してください。

売買契約時に手付金を受け取り、ローン審査が通ったら、残額支払時に物件を引き渡します。

 

不動産売却の期間が長くなることで生じるデメリット

 

不動産を売却する場合、売却開始からできるだけ早く売れるのが理想です。

売却期間が長くなると、さまざまな弊害が生じてしまいます。

ここからは、不動産売却期間が長引くことによるデメリットを紹介します。

 

物件に関する印象が下がる

 

物件が長い期間宣伝されていると、「売れ残り」という悪い印象を与えてしまいます。

インターネット広告などで何度も同じ物件を目にしていると、購入希望者は「人気がないのは何か問題があるからだ」と疑うようになります。仮に第一印象が良くても、途中で意見が変わってしまうかもしれません。

 

また、宣伝期間が長引くと「新着物件」に表示されなくなるため、閲覧者の目に留まりにくくなるのもデメリットです。

 

売却活動の優先順位が低くなる

 

長期間売れないと、売却活動の優先順位が下がる可能性があります。

不動産会社は複数の相手と媒介契約を結んでいるため、売れそうな物件から優先的に力を入れて販売活動します。

 

そのため、売却期間が長い物件は「売れない」と判断され、後回しにされることがほとんどです。

 

また、物件に対するモチベーションが下がるため、営業マンのトーク力も低下し、購入希望者にうまくアピールできなくなる可能性もあります。

 

値下げをしなければいけない

 

不動産は1年経つごとに資産評価が下がり、それにともなって価格も落ちていきます。

 

そのため、売却期間が長いと必要経費の圧迫などによって値下げせざるを得なくなります

売れない不動産に固定資産税などの経費を払い続けるより、値下げして早めに手放した方が損失を減らせるケースも多くあります。

 

また、新築であっても売り出しから1年経過すると、自動的に中古物件として扱われます。

新築と中古では市場価格に大きな差があるため、中古になった場合は値下げが必要です。

 

不動産売却にかかる期間が長引く要因と対策

 

売却期間が長くなるのは、さまざまな要因が関係しています。

早期売却を目指すためには、売却開始前に把握しておくことが重要です。

ここでは代表的な7つの要因とその対策方法について解説します。

 

売却価格が高すぎる

 

売れ残ってしまう要因として、価格設定を誤っていることが挙げられます。

利益を求めすぎて売却価格を高くしすぎると、売却期間が長引いてしまいます。

売れ残りを防ぐには、売却エリアの相場をリサーチすることが重要です。

早めに不動産会社へ査定を依頼し、適正価格で販売するようにしましょう。

売却開始から3ヶ月以上経っても売れない場合は、値下げを検討してください。

 

また、頻繁に値下げを繰り返すのもNGです。

購入希望者から「もう少し待てば値下げするかもしれない」と判断され、売れるまでに時間がかかる可能性があります。

 

売り出すタイミングがシーズン外

物件は引越しシーズンに売れやすい傾向があります。

それ以外の時期に売り出すと、予定よりも売却期間が長引いてしまうかもしれません。

 

早期売却を狙うなら、引越しシーズンである2~3月または9月~10月に売却をスタートさせると良いでしょう。

入社・入学や異動で入居の需要が高まるからです。

早く売れるだけでなく、相場よりも高値で売れる可能性もあります。

 

ただし、地域によって売れる時期は多少異なります。

どの季節が売却に適しているか、一度不動産会社に相談してみるのもおすすめです。

 

物件状況が悪い

 

築年数が経過している物件や立地が悪い物件は売却期間が長引いてしまいます。

不動産は時間の経過とともに建物部分や設備が劣化します。

築年数が15年以上になると、新築・築浅物件と比較して人気が大幅に下がってしまいます。

 

また、古い物件は金融機関からの融資を受けにくい点もデメリットの一つです。

また、立地が良くない不動産は資産価値が大幅に低くなります。

駅から遠い、周辺にスーパーがない、といった不便な物件は売却期間が長くなる傾向にあります。

 

上記のような物件は、内覧の印象を良くするために手入れや清掃を丁寧に行うようにしてください。

特に水回りは印象を決めるのに大切なポイントなので、重点的にチェックしておきましょう。

 

住宅ローンの返済が終わっていない

 

住宅ローンを完済できていない場合は、売却完了までに時間がかかってしまいます。

住宅ローンが残っている物件でも売却は可能ですが、抵当権を抹消することが条件となります。

 

売却価格がローン残債よりも少ない場合は、別のローンを組んだり預貯金を用意して完済しなければなりません。

ローンの返済にはある程度時間がかかるため、その分売却期間が延びることを覚えておいてください。

 

完済できるタイミングで売り出すとスムーズに売却できるので、時期を見計らって売却計画を進めましょう。

 

所有者におけるトラブルが発生する

 

相続、離婚、共有者トラブルなど、物件以外の要素で売却が長引くケースもあります。

相続では遺産分割、離婚は財産分与、共有者トラブルは住居人の意志相違、といった問題が起きやすく、解決するまで不動産売却は進みません。

このような場合、不動産会社や税理士など第三者に相談することで解決するケースもあります。

当事者だけでは解消されないと判断した場合には、一度信頼できる第三者に話を聞いてもらいましょう。

 

不動産会社の営業力が弱い

 

不動産を早期売却できるかどうかは、仲介担当者の営業力次第です。

営業マンのスキルが乏しい場合やモチベーションが低い場合には、なかなか買い手が見つからず売却期間が長引きます。

そのうえ、購入希望者が不快になる話し方をする、契約手続きがスムーズに進まない、といったトラブルにもなりかねません。

やる気のない営業担当者や大手ポータルサイトと提携していない不動産会社には注意しましょう。

このような場合は、担当者または不動産会社を変えることで改善可能です。

 

媒介契約が適正でない

 

適正な媒介契約を結んでいないと売却期間に悪影響を及ぼします。

自分に合った契約方法に変えると、意外にすぐ売却できることもあります。

 

不動産会社との仲介契約は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3種類があります。

それぞれの特徴は以下のとおりです。

■一般媒介

複数の不動産会社へ同時に仲介を依頼できる。

■専任媒介

仲介を依頼できる不動産会社は1社のみ。

■専属専任媒介

1社のみと契約可能で自ら買い主を探すことも不可。

 

このうち一般媒介は最も早く売れやすいと言われます。

仲介手数料を得るために、各不動産会社は他社に契約を取られないよう必死で買い主を探すからです。

専任・専属専任でなかなか売却できない場合は、一般媒介に切り替えてみるのも一つの手でしょう。

 

不動産売却期間を把握して計画的に行動しよう

 

不動産売却にかかる期間は、おおよそ3~9ヶ月が目安です。

売却期間が長引くと、物件のイメージ低下・売却活動の優先度低下・値下げといったデメリットが生じます。

 

売却できない原因には、価格やタイミングが適切でない、所有者トラブルの発生、営業力が弱い、といった点が挙げられますが、この記事で紹介した対策法で改善可能です。

不動産売却を開始してから予想外に売却期間が長引かないよう、事前に売却計画をしっかり立ててから行動に移しましょう。